夫婦で新NISAをコツコツ積み立てながら、難しいお金の話をわかりやすく発信しています。
「投資はギャンブルだから止めた方がいい」——そう言われたことがある方、多いと思います。実はこの言葉、バブル崩壊で株や土地で大損した世代が広めた価値観だったりします。今回は「なぜ投資はギャンブルではないのか」、そして「貯金だけでいると実は損をしている」という事実を、シミュレーション付きで分かりやすく解説します。
① 「投資はギャンブル」というイメージの正体
「株なんてギャンブルだ」「投資で大損した人を知っている」——こうした声の多くは、バブル崩壊(1990年代初頭)で株や土地に手を出して大きな損失を出した経験、またはその話を聞いて育った世代から広まったものです。
たしかに当時は「土地は絶対に上がる」「株はどこまでも上がる」という根拠のない熱狂の中で、退職金や借金までつぎ込んで損をした人が大勢いました。その記憶が「投資=怖いもの」というイメージとして、今も日本社会に根強く残っています。
② 昔は「貯金が正解」だった。郵便局の金利が高かった時代
実はこの「投資は怖い、貯金しろ」という教育には、もう一つ理由があります。昔は銀行や郵便局の金利が今よりずっと高かったのです。郵便貯金で年利6〜8%といった時代もあり、その頃は確かに「貯金しているだけで利益が出る」状態でした。
「投資は怖い→やるな」「貯金の利息が高い→やれ」という教育は、その時代には合理的な判断だったわけです。問題は、その教育が時代が変わった後も、そのままアップデートされずに続いてしまったことにあります。
③ バブル崩壊後、デフレが「貯金神話」を支えてしまった
バブル崩壊後、日本はどんどん貧しくなり、長いデフレ(物の値段が下がる・上がらない)の時代に入りました。物価が上がらない状況では、現金の金利がほぼゼロでも、元本の価値は実質的に保たれます。
つまり「デフレのおかげで、金利が無くても現金の価値が減らなかった」というだけのこと。これが約30年続いたことで、「現金は安全」という感覚がさらに強化されてしまいました。
④ そして今、インフレの時代へ。現金の価値は年々減っている
2022年ごろから、日本でも本格的なインフレが始まりました。日銀は「年率2%」のインフレ目標を掲げています。これは「物の値段が毎年平均2%以上上がる」ということ——裏を返せば、現金の価値が毎年2%ずつ目減りしていくということです。
「現金を金庫にしまっておけば減らない」と思いがちですが、それは名目上の金額が減らないだけ。同じ金額で買えるものがどんどん少なくなっていくのが、今の時代の現実です。これがまさに「現金の逆複利」——複利が資産を増やす仕組みなら、インフレは資産(の実質的な価値)を静かに減らし続ける仕組みなのです。
複利は「お金がお金を生む」仕組みで、時間が経つほど増え方が加速します。インフレはその逆——時間が経つほど、同じ金額で買えるものがどんどん減っていく「価値の目減りが加速する」仕組みです。現金をただ置いておくことは、見えない形で「逆複利」を受け入れていることになります。
⑤ シミュレーションしてみよう:現金 vs 投資、どちらが得?
では実際に数字で見てみましょう。下記に金額・インフレ率・想定利回り・年数を入れると、「現金のまま置いておいた場合」と「投資信託(オルカンなど)で運用した場合」の実質的な価値の変化が、シーソーのように比較できます。
🧮 インフレ vs 投資 逆複利シミュレーター
※本シミュレーターは入力された利回り・インフレ率に基づく試算であり、将来の実績を保証するものではありません。投資信託には価格変動リスクがあり、元本を下回ることもあります。
まとめ:「投資はギャンブル」ではなく「現金もリスクを取っている」
投資は「やるかやらないか」の二択ではなく、「現金もインフレというリスクを取っている」という事実を知ることが第一歩です。貯金だけが安全という時代は終わりました。まずは新NISAの積立投資から、少額でも始めてみることをおすすめします。
本記事および本シミュレーターは情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品への投資を勧誘するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。投資判断はご自身の責任において行ってください。
【参考情報】
・日本銀行 物価安定目標(2%)
・総務省統計局 消費者物価指数(CPI)
・各種インデックスファンド過去実績データ
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